文学その5

『青空文庫』にある作品を『Google Translate』で英訳してみました。

世界怪談名作集:05 クラリモンド:ゴーチェ テオフィル:岡本 綺堂(114-147)/701

それは女の手です。

It's a woman's hand.

わたしはこれまでに女の手などにふれたことはありませんでしたが、その時わたしに感じたのは蛇の肌にさわったような冷たい感じで、その時の感じはいまだに掌の上に、熱鉄の烙印を押したように残っています。

I had never touched a woman's hand, but at that time I felt cold like a snake's skin, and at that time still felt on the palm, It remains as if you had stamped the seal.

それは彼女の手であったのです。

That was her hand.

「不幸なかたね。

"I'm unhappy.

ほんとうに不幸なかた……。

Really unhappy person ....

どうしたということです」と、彼女は低い声を強めて言って、すぐに人込みのなかに消えて行ってしまいました。

"What happened?" She intensified her low voice and said, she soon disappeared in the crowd.

 老年の司教がわたしのそばを通りかかりました。

An old bishop passed by my side.

彼は何かわたしを冷笑するようなけわしい眼を向けて行きました。

He turned his eyes to something messy to laugh at me.

わたしはよほど取りみだした顔つきをしていたらしく、顔を赤くしたり、青くしたりして、まぶしい光りが眼の前にきらめくように感じました。

I seemed to have a pretty face, and I made the face red and blue, and I felt that the glare was shining in front of my eyes.

そのうちに、一人の友達がわたしに同情して、わたしの腕をとって連れ出してくれました。

In the meantime, a friend in sympathy with me took my arm and took me out.

わたしはもう誰かに扶けられないでは、学寮へ帰ることが出来ないくらいでした。

I could not return to the school dormitory if I could not get someone anymore.

 町の角で、わたしの若い友達が何かよその方へ気をとられて振りむいている刹那に、風変わりの服装をした黒人の召仕がわたしに近づいて来て、歩きながらに金色のふちの小さい手帳をそっと渡して、それをかくせという合図をして行きました。

In the corner of the town, at the moment when my young friend was distracting and waving to someone, a black servant dressed in a whimsical approach came to me, and while walking, the golden edge I handed over a small notebook and gave a signal to cover it.

わたしはそれを袖のなかに入れて、わたしの居間でただひとりになるまで隠しておきました。

I put it in my sleeves and hid it in my living room until I was alone.

 独りになってから、その手帳の止めを外すと、中には一枚の紙がはいっていて、「コンティニ宮にて、……クラリモンド」と、わずかに書いてありました。

When I was alone, I removed the end of the notebook, and a sheet of paper was in it, and it was slightly written as "in Continini, ... Clarimond".

       二

Two

 わたしはその当時、世間のことはなんにも知りませんでした。

At that time, I did not know anything about the world.

名高いクラリモンドのことなども知っていません。

I don't even know about the famous Clarimond.

コンティニ宮がどこにあるかさえも、まったく見当がつきませんでした。

I had no idea at all even where the Contini Palace is.

わたしはいろいろに想像をたくましくしてみましたが、実のところ、もう一度逢うことが出来れば、彼女が高貴な女であろうと、または娼婦のたぐいであろうと、わたしはそんなことを気にかけてはいないのでした。

I tried variously imaginatively, but in fact, if I could meet again, whether I was a noble woman or a prostitute, I care about that. It was not.

 わたしの恋はわずかいっときのあいだに生まれたのですが、もう打ち消すことの出来ないほどに根が深くなってゆきました。

My love was born in just a few moments, but it became so deep that I could not cancel it anymore.

わたしはもう、まったく取りみだしてしまって、彼女が触れたわたしの手に接吻したり、幾時間ものあいだに繰り返して彼女の名を呼んだりしました。

I had already taken it all out and kissed my hand she touched and called her name repeatedly for hours.

わたしは彼女の姿を目のあたりにはっきりと認めたいがために、眼をとじてみたりしました。

I stopped my eyes to see her in her eyes clearly.

 わたしは教会の門のところで、わたしの耳にささやいた彼女の言葉を繰り返しました。

I repeated her words whispered to my ears at the church gate.

「不幸なかたね。

"I'm unhappy.

ほんとうに不幸なかた……どうしたということです」

Really unhappy person ... what happened? "

 ――わたしはそうしているうちに、とうとう自分の地位の恐ろしさがわかるようになりました。

――In doing so, I finally came to understand the fear of my position.

暗い忌わしい束縛――その生活のうちに、自分がはいっていったということがわかるようになりました。

Dark and sad bondage-I came to understand that I was in my life.

 僧侶の生活――それは純潔にして身を慎んでいること、恋をしてはならないこと、男女の性別や老若の区別をしてはならないこと、すべて美しいものから眼をそむけること、人間の眼を抜き取ること、一生のあいだ教会や僧房の冷たい日影に身をかがめていること、死人の家以外を訪問してはならないこと、見知らない死骸のそばに番をしていること、いつも喪服にひとしい法衣を自分ひとりで着て、最後にはその喪服がその人自身の棺の掩いになるということであります。

The life of a monk-it is pure and humble, not to fall in love, not to distinguish between sex and gender, old and young, to look away from everything beautiful, to the human eye Not to visit the church or the cold shade of the cellar for the rest of the life, to visit the house of the dead, to stay by the unbeknownst dead, always mourning In the end, the mourning is to be the mourning for the person's own nephew.

 もう一度クラリモンドに逢うには、どうしたらいいかと思いました。

I thought how to go to Clarimond again.

町には誰も知っている人がないので、学寮を出る口実がなかったのです。

There was no excuse to leave the school dormitory because no one in town knows.

わたしはもうこんな所にいっときもじっとしてはいられないと思いました。

I thought that I could not stop at such places.

そこにいたところが、ただわたしはこれから職に就く新しい任命を待っているばかりです。

Where I was there, I am just waiting for a new appointment to get a job.

 窓をあけようと思って、貫木に手をかけましたが、それは地面から非常に高い所にありますので、別に梯子を見つけない限りは、この方法で逃げ出すことは無駄であることが分かりました。

I tried to open a window and put a hand on a perch, but it is very high from the ground, so it turns out that running away in this way is useless unless I find a ladder separately The

その上に、どうしても夜ででもなければ、そこから降りられそうもないのです。

On top of that, it is unlikely that you will get off from there if you are not at night.