文学その5

『青空文庫』にある作品を『Google Translate』で英訳してみました。

世界怪談名作集:13 上床:クラウフォード フランシス・マリオン:岡本 綺堂(119-170)/524

もしそうであれば、下にいる者はたまらない。

If so, the one who is below is irresistible.

そんなことを考えながらも、僕はまた、うとうとと夜明けまで眠った。

Thinking about that, I finally slept until dawn.

 船は昨夜よりもよほど揺れてきた。

The ship was shaking more than last night.

そうして、舷窓からはいってくる薄暗いひかりは、船の揺れかたによって、その窓が海の方へ向いたり、空の方へ向いたりするたびごとに色が変わっていた。

Then, the color of the dim light coming from the porthole changed every time the window turned towards the sea or towards the sky, depending on how the ship shook.

 七月というのに、馬鹿に寒かったので、僕は頭をむけて窓のほうを見ると、驚いたことには、窓は鉤がはずれてあいているではないか。

In July, it was ridiculously cold, so when I looked at the window with my head off, I was surprised that the window was off the wall.

僕は上の寝台の男に聞こえよがしに悪口を言ってから、起き上がって窓をしめた。

I talked to the man in the upper bed and heard it, then got up and closed the window.

それからまた寝床へ帰るときに、僕は上の寝台に一瞥をくれると、そのカーテンはぴったりとしまっていて、同室の男も僕と同様に寒さを感じていたらしかった。

Then when I went back to the bed again, I gave a glimpse of the upper bed and the curtains were perfect and the man in the room felt as cold as me.

すると、今まで寒さを感じなかった僕は、よほど熟睡していたのだなと思った。

Then I thought that I had a good sleep because I had never felt cold until now.

 ゆうべ僕を悩ましたような、変な湿気の臭いはしていなかったが、船室の中はやはり不愉快であった。

べ Although it did not smell of strange moisture that bothered me, the inside of the cabin was still unpleasant.

同室の男はまだ眠っているので、ちょうど彼と顔を合わさずに済ませるにはいい機会であったと思って、すぐに着物を着かえて、甲板へ出ると、空は曇って温かく、海の上からは油のような臭いがただよってきた。

The man in the same room is still asleep, so I thought it was a good opportunity to get out of contact with him. From above, it smelled like oil.

僕が甲板へ出たのは七時であった。

It was 7 o'clock that I went out to the deck.

いや、あるいはもう少し遅かったかもしれない。

No, or maybe a little later.

そこで朝の空気をひとりで吸っていた船医に出会った。

So I met a scientist who was breathing morning air alone.

東部アイルランド生まれの彼は、黒い髪と眼を持った、若い大胆そうな偉丈夫で、そのくせ妙に人を惹きつけるような暢気な、健康そうな顔をしていた。

Born in Eastern Ireland, he was a young, bold, brilliant man with dark hair and eyes, and had a carefree and healthy look that attracted people strangely.

「やあ、いいお天気ですな」と、僕は口を切った。

“Hey, good weather,” I cut out.

「やあ。

"Hey.

いいお天気でもあり、いいお天気でもなし、なんだか私には朝のような気がしませんな」

It's good weather, no nice weather, I don't feel like morning. ''

 船医は待ってましたというような顔をして、僕を見ながら言った。

』\ She said that she was waiting, and looked at me.

「なるほど、そういえばあんまりいいお天気でもありませんな」と、僕も相槌を打った。

“I see, that's not a very good weather,” I said.

「こういうのを、わたしは黴臭い天気と言っていますがね」と、船医は得意そうに言った。

“I'm saying this is stinky weather,” the craftsman said.

「ときに、ゆうべは馬鹿に寒かったようでしたね。

“Sometimes, Yuube seemed ridiculously cold.

もっとも、あんまり寒いのでほうぼう見まわしたら、窓があいていました。

However, it was so cold that when I looked around, the window was open.

寝床へはいる時には、ちっとも気がつかなかったのですが、お蔭で部屋が湿気てしまいました」と、僕は言った。

“When I went to the bed I didn't notice it at all, but my moist moistened my room,” I said.

「しけていましたか。

“Did you barge?

あなたの部屋は何号です」

What is your room? "

「百五号です」

“No. 100.”

 すると、僕のほうがむしろ驚かされたほどに、船医はびっくりして僕を見つめた。

Then, as I was rather surprised, the craftsman stared at me.

「どうしたんですか」と、僕はおだやかに訊いた。

“What happened?” I asked gently.

「いや、なんでもありません。

“No, nothing.

ただ最近、三回ほどの航海のあいだに、あの部屋ではみなさんから苦情が出たものですから……」と、船医は答えた。

Just recently, during the three voyages, there was a complaint from you in that room ... "the craftsman replied.

「わたしも苦情を言いますね。

“I also complain.

どうもあの部屋は空気の流通が不完全ですよ。

The air circulation is incomplete in that room.

あんな所へ入れるなんて、まったくひど過ぎますな」

It ’s just too bad to go into that place. ”

「実際です。

“It ’s actually.

私にはあの部屋には何かあるように思われますがね……。

It seems to me that there is something in that room ...

いや、お客さまを怖がらせるのは私の職務ではなかった」

No, it wasn't my job to scare customers. ''

「いや、あなたは私を怖がらせるなどと、ご心配なさらなくてもようござんすよ。

"No, you don't have to worry about scaring me.

なに、少しぐらいの湿気は我慢しますよ。

I will put up with a little moisture.

もし風邪でも引いたら、あなたのご厄介になりますから」

If you catch a cold, it will be troublesome for you. ''

 こう言いながら、僕は船医にシガーをすすめた。

While saying this, I recommended a cigar to the craftsman.

彼はそれを手にすると、よほどの愛煙家とみえて、どこのシガーかを鑑定するように眺めた。

When he got it, he looked like a smoker and looked at where the cigar was.

「湿気などは問題ではありません。

“Moisture is not a problem.

とにかくあなたのお体に別条ないということはたしかですからな。

Anyway, it's true that there is no separate article for your body.

同室のかたがおありですか」

Is there a person in the same room? "

「ええ。

"Yes.

一人いるのです。

There is one person.

その先生ときたら、夜なかに戸締りをはずして、扉をあけ放しておくという厄介者なのですからね」

When I was the teacher, I was a nuisance to unlock the door and leave the door open at night. "

 船医は再び僕の顔をしげしげと見ていたが、やがてシガーを口にくわえた。

”The craftsman looked at my face again, but eventually added a cigar to his mouth.

その顔はなんとなく物思いに沈んでいるらしく見えた。

The face looked somewhat pensive.

「で、その人は帰って来ましたか」

"So did that person come home?"

「わたしは眠っていましたが、眼をさました時に、先生が寝返りを打つ音を聞きました。

“I was asleep, but when I looked, I heard the teacher screaming.

それから私は寒くなったので、窓をしめてからまた寝てしまいましたが、けさ見ますと、その窓はあいているじゃありませんか……」

Then I got cold, so I closed my window and went to sleep again.